そこに現れたのは白い羽根を持つ美しい龍でした。

デルタ卿は思いました。
この龍は神の化身なのだと・・・

そして静かに跪き、目をつむりました。
 





龍はデルタ卿の目の前に剣を授けます。
光り輝き、宙に舞う深紅の剣。

デルタ卿は龍を見上げました。
頷き、その剣を取られよと言う龍の言葉に従い、デルタ卿は剣に手を伸ばしました。
剣を握れば、剣の言葉がデルタ卿に流れ込んできます。

《そなたの剣は役目を充分に果たした。これからは我の主となり、世界を我に見せよ》
 





しかし、古びた剣に視線を落としたデルタ卿は
「この剣は父から授かった大切な剣なのです、手放したくはありません」と言います。

その意志に胸うたれた龍はデルタ卿の剣を深紅のマントに変えました。
デルタ卿は龍に感謝し、そのマントを羽織ります。
 





こうして此処に深紅の騎士が誕生しました。






絵本『騎士デルタ』

三部作の第一話目。
見開き13&14ページ・15&16ページ・17&18ページ・19&20ページ。
左開きになります。


更新日2007/12/27

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