しかし、避けきれないと思い、硬く目を閉じたデルタ卿に衝撃はありませんでした。
デルタ卿の耳に届くのは魔獣の叫び声です。

目を開けたデルタ卿が見たのは魔獣の背に漆黒の剣を突き刺すキタルファ卿の姿でした。

キタルファ卿はデルタ卿に最後の一撃を撃てと叫びます。





デルタ卿は頷きますが、叫び悶える魔獣の尾がデルタ卿の兜を目掛けて飛んできます。
吹き飛び、デルタ卿は自分の兜が脱げようとも立ち上がりました。
剣を構え、魔獣の喉元に深紅の剣を突き刺します。

魔獣は息絶え、デルタ卿とキタルファ卿は勝利したのです。





キタルファ卿はデルタ卿の素顔に驚きます。
デルタ卿は兜を拾い上げて被り、もう騎士ではいられないと告げました。

キタルファ卿はパーシヴァル国に立ち寄った時に
貴婦人達がデルタ卿に不審を抱くように植え付けた者がいると耳にしました。
その人物はデルタ卿の強さと王からの信頼の大きさに嫉妬していた騎士でした。
キタルファ卿はその騎士を倒し、急いで東の森に駆けつけて来たのです。

デルタ卿はキタルファ卿に感謝し、自分の国に帰っていきました。





デルタ卿は王に冒険の話を聞かせ、自分の騎士の称号を捨てました。

一人の少女が丘の上で自分の国を見つめていました。
少女の名はデルタ姫と言います。

こうして、デルタ卿の冒険は終わったのでした。






絵本『騎士デルタ』

三部作の第三話目。
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左開きになります。

絵本『騎士デルタ』はこれにて連載終了致します。
最後まで読んでくださって有り難う御座いましたm(_ _)m


更新日2008/01/04

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